からすのカーさん へびたいじ

 道端で生ゴミを漁るカラス達の戦闘的な顔を思い出しながら読むとまるで違っている。
 なんとも微笑ましいカラスのエイブラハム·カー夫妻、おいぼれ蛇のガラガラどんに毎日卵を盗まれて頭にきた。蛇の穴に入って退治するのはどうも苦手なエイブラハムは、ふくろうのホーおじさんに相談して石のように固い卵を...。
『ガザに盲いて』の、あのハクスリーが、姪のために語ったというこのお話、机上で書かれた物語とはひとあじ違ったぬくもりが感じられる。