オフェリアと影の一座

 ひとり者のオフェリアおばあさんは、町の小さな劇場で、客席から目立たない小さなボックスの中から役者がつかえないようにせりふをささやき続けるのが仕事だった。オフェリアさんはどんな芝居のせりふでもすべて暗記していたが、劇場はつぶれてしまう。
 最後の公演が終わった後、ひとり思い出にふけっていたオフェリアさんは、誰のものでもない影法師に出会う。以来、持ち主のない影が次々と集まり、オフェリアさんは彼らに芝居を教えて影の一座を作る。
 エンデはいつも、聞いたこともないような物語を書いてくれる。
 影の一座が光の一座に変わる情景が素晴しい。

関連作品: