題からも分かるように、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』の物語の展開を追って算数パズルを解いてゆくようになっている。
本自体の構成も凝っていて、冒頭にある前文は、この本の題を文頭に織り込んだことば遊びでもあり、原典に出てくる詩のパロディでもある。
アリスの数々の冒険につれて読者も種々のパズルを解くが、アリスが夢から醒めて物語が終わっても、読者には最後のクイズが待っている。
読書好きな子どもは、とかく理数的な物の見方を忘れがちである。また親の思い込みでそう育てられてしまうことも多い。
子どもはちょっとしたきっかけで、思いがけない方向に伸びてゆく。この本がそのきっかけになるかもしれない。