今、日本ではこれが映画化され、見ごたえのある子ども映画として話題になっている。
原作である劇画を通読してからと、この欄での紹介が遅れたが、映画を先に見るとこのSFの味わい、特に恐ろしさが半減するので、ぜひ本を先に読んで欲しい。
物語は、学校ごと異次元に放り出された八〇〇余名の小学生の、子ども同士の争い、飢餓との戦い、異生物との攻防などと、息もつかせないが、一番怖いのは、人間の本性をむき出しにした給食係のおじさんの存在である。
劇画(あまり勧めないが)と小説と映画と、それぞれ優れているとされるこの作品の、メディアによる違いを知るのもたいせつな勉強である。