英国のあるふるい家に棲みついた妖精ホバティ・ディックは、新しく引っ越してきた住人、ウィディスン一家を、なんとか守ろうと決意する。
その家に住む人が幸福になるよう気を配るのが、家つき妖精の義務であり、その家の人々が愛情を込めて感謝をささげてくれた時、はじめて彼は、家つき妖精の境遇から解放されるからである。
厳しい女主人から使用人を助け、魔女の悪だくみから少女を救い、埋もれた財宝を発見させて、愛し合う若いふたりを結びつけようと心を砕くディックの物語は、読者を、この煩わしい現実から妖精の世界へと導いてくれる。
これを読むとあなたも、妖精ホバティ・ディックを、見つけられるかもしれない。