本屋の店頭で高校生のカップルが絵本を選んでいた。
「あっ、この本、小さいころ好きだったのよね。何回も読んじゃった」と手にとっていたのが、この本である。
幼稚園できかん坊がふたり、いたずらをして閉じ込められた押入れの中で、何とか先生にごめんなさいを言わずに頑張ろう、と助け合う。
押入れではネズミが出てきてふたりを脅かしたりするが......。
板壁の木目が恐ろしいネズミばあさんになったり、洞穴になったりして冒険が始まるのも、子どもにとってはリアルな話である。
先の高校生は、5年生ごろまでこの本を読んでいたと言う。良い絵本全盛時代の、もう古典とも言える本だが、今の子ども達には新しい。