この本に集められたノルウェーの民話は、100年ほど前にアスビョルンセンとモオというふたりの民話研究家がまとめた中の、おもしろいもの18編であり、その中の一つをこの本の題にしている。"海の水はなぜからい?"のように日本民話と同じようなものもあり、トロイやアシェランドなどの物語は、大蛇や太郎の物語に置き換えることができそうである。
"太陽の東 月の西"という題名だけでも、どこの話だろう、ロマンティックな題名だなぁ、どんな話かな、と興味を引かれ、ぐんぐん引き込まれてゆく。そして北欧の厳しい自然やのどかな風景、心暖かな人々が、読んでいくうちに身近に感じられてくる。