おひゃくしょうさんのうちのこぶたは、どろんこが何よりも好き。おひゃくしょうのおじさんとおばさんにかわいがられて暮らしていたが、ある朝おばさんが大掃除を始めたから、さあたいへん。やわらかーいどろんこはなくなってしまったし、こぶたまでぴっかぴかにしてしまった。
「こんなうち、ぴかぴかすぎてつまらないや」と、こぶたは家を後にどろんこを見つけに出かけるが、町までやってきてやっと見つけたと思ったどろんこの中で身動きできなくなってしまう......。
作者の暖かいまなざしが絵とお話の中にあふれているようで、子どもは母親のひざの上で、大好きなどろんこの中にいるこぶたの気分になるだろう。そして母親は、子どもからつい、どろんこを取り上げていることに気づくかもしれない。