この本は両側が表紙で裏表紙がない。ところが、どちらの表紙から開いても、Aから始まりZで終わる、という不思議な本である。
魔法の本だけに、ただ開いてみても、美しい色どりのゆがんだ形が描かれているばかりで、魔法の鏡がなければ読みとれない。その鏡は付録の銀紙で作るのだが、スペアもあり、それもなくした人のために、何屋さんで何を買えば代用になるかまであとがきで解説してある。しかし、裏表紙のない本のあとがきはどこにあるのだろう......。
あとがきのページにはちゃんと紙がはさんであり、ゆがみ絵を描くための魔法の方眼紙になっている。こういう心遣いに加えて、各ページの絵やアイディアが実に楽しい。