六年生のリナは父親の薦めで"霧の谷"という東北地方の小さな町にやってきた。そこには変わった人ばかり住んでいて、生活費分ぐらいは自分で稼がなければいけないと言われる。学校と塾の往復だけで母親の手伝いもしなかったリナは「仕事なんてできません」とベソをかくが、意地悪なピコットばあさんは、さっさとリナの仕事先を決めてしまう。本屋、骨とう屋、おもちゃ屋と一生懸命手伝ううちに町のみんなと仲良しになり、ピコットばあさんもどうやら本当はリナが気に入ったようで、別れの時、もう一度この町に迎えてくれるという約束のカサを荷物にしのばせてくれる。
ヨーロッパによくある小さな町を日本の田舎に設定して、読者を幻想の世界に誘い込む。