ぼくは王さま

 ここに出てくる王様は、ぜひ友達になって面倒を見てあげなければ、と誰もが思うような王様である。この巻には四つの話が書かれているが、三番目の"ウソとホントの宝石ばこ"では、王様がウソをつくたびに宝石箱にためておくものだから、入りきらなくなった宝石箱がこわれ、ホントのことしか言えなくなってしまう。
 王様のくせにニンジンが嫌いだったり、歯みがきをさぼったり、つい嘘をついてしまったりする人間味が、小さい読者をひきつけずにはおかない。

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