ロアルド・ダールは大人向きの面白い短編を数多く書いているが、その慣れた筆致で、子どものためにこれを書いた。本好きな子どもは得てして短編を嫌う傾向にあるが、いずれエッセイの類も読むように、こんな楽しいものから読み慣れておくとよい。
冒頭の作品は"浦島太郎"の西洋版だが、スピード感もあり、彼ならではのミステリアスな結末である。"一休み"は、いろいろな立場の人が、さまざまな興味を持って読める作品だが、今日本で公開中の映画『グレムリン』の名は、四十年以上も前に彼の物語の中で創り出された言葉であることも、ここに書かれている。