たまごとひよこ

 巻末に評論家の松田道雄が"性の中の合理的なもの"と題して、「教育は子どもの将来に役立つと思えるものを十年も二十年も早く与えるものである。性教育も男女交際のあり方も年々変わるが、この親と卵のサイクルは変わらない。このサイクルの合理性を知っていることは子どもに将来役立つだろう」と書いている。
 性教育は国によって大きく違うが、いずれにしても今の時代、きちんとした知識を家庭で与えておくことが必要である。それには、年齢に応じた本を書棚に加えておくのが良いが、この本はその最初の一冊にふさわしい。卵の中に丸くなっているひよこの絵も愛らしい。ほかの絵本もそうだが、特に性に関する本は、俗悪な絵、親が嫌悪を感ずるものは、例え他人に奨められても避けるべきである。

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